宮古島では旧暦で生活している!?年間イベントを簡潔に解説

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宮古島と旧暦

宮古島をはじめとした沖縄県では、昔からの行事ごとは旧暦を元にして行われています。

そのため、沖縄では旧暦の日付が入っているカレンダーが好まれます。
 

ここでは、旧暦と新暦の違い、そして宮古島で旧暦に行われている行事にはどういったものがあるのかについて、まとめました。

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旧暦と新暦との違いとは?

太陽と月

新暦とは、太陽の動きを元に作られているグレゴリオ暦のこと。世界共通の暦です。

そして、旧暦とは、月の満ち欠けを元に太陽の動きも取り入れた太陰太陽暦のこと。中国から入ってきて日本用に改善された暦(天保暦)のことをいいます。

日本では昔から太陰太陽暦を使用していましたが、1872年に政府の方針でグレゴリオ暦が導入されました。今から約150年前のことです。

そのため、採用したグレゴリオ暦のことを新しいので新暦、これまで使ってきた太陰太陽暦を旧暦と呼ぶようになりました。
 

新暦と旧暦では、数日〜1ヶ月ほどズレがありますので、当時は大混乱したことが予想されますよね。

政府の中でも反対派と賛成派で議論が繰り返された結果、混在したまま現在に至っているとのこと。

そのため、新暦が主軸として使用されている今でも、占いは旧暦の周期が基準ですし、各地域でも古くからの伝統行事は旧暦で行われています。

そして、宮古島でも同じように旧暦を残したままの行事が多く、旧暦と新暦を併用した二重生活が送られています。

宮古島で旧暦に行われているイベント

イベント

それでは、旧暦で行われる宮古島の主なイベントについてご紹介します。

旧暦と新暦では、暦の作りがもともと違いますので、旧暦◯月◯日=新暦◯月◯日というように固定されていません。

日付は毎年変わっていきますので、旧暦を知るにはそれが記載されているカレンダーや対応表が必須です。

旧暦12月8日 ムーチー

ムーチーは、月桃の葉で包んで蒸した餅を仏壇に備え、家族の健康を願う行事です。

子供の頃、その日の給食にも出た記憶があります。

葉っぱの匂いのついた餅は香りが強く、子供にとってはちょっと大人の味でしたね。

クセが強いと言いますが、一度食べたら忘れらない味です。

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旧暦1月16日 十六日祭(ジュウルクニツ)

十六日祭は、ご先祖様のためのお正月です。お墓にご馳走を持って行き、親戚一同でご飯を食べます。

お墓もちょっとしたワンルームぐらいに広いので、大人数でも大丈夫です。(笑)

お彼岸や沖縄本島でのお墓参りとなるシーミー(清明祭)がないため、宮古島ではこの日に盛大に行われます。

旧暦3月3日 八重干瀬

八重干瀬とは宮古島の北に広がる日本最大級のサンゴ礁郡のことを言います。

旧暦の3月3日は1年の中で一番干潮の差が大きく、広大なサンゴ礁が海上に現れるので「幻の大陸」と呼ばれています。

月の満ち欠けを元に作られた旧暦ならではの神秘的な現象ですね。

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旧暦5月4日 ハーリー

1年間の無事故や安全、そして大漁を願って、海の神様に祈る行事です。

サバニと呼ばれる数人しか乗れない小型漁船でレースを行うイベントが見どころです。

ハーリーが行われると、梅雨も空けて夏が到来!といった季節感を味わうことができます。

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旧暦7月13~15日 旧盆

お盆は日本全国で行われているご先祖様の霊を供養する行事で、会社でもお盆休みはきちんとありますよね。

新暦の8月が全国で通例となっていますが、宮古島では旧暦で行われています。

1日目はご先祖様をお迎えする日、お墓の掃除や仏壇を綺麗にし、ご馳走や果物をお供えします。
2日目は中日。
3日目は、あの世に持っていけるお金「うちかび(カビジン)」を燃やしてお見送りをします。
 

子供の頃、ご先祖様があの世で貧乏しては大変と、大人たちが真剣にそして大量に黄色い紙を燃やしている姿が不思議でたまりませんでしたが。。。

亡くなった後も、お金は必要なのでしょうか。信じるか信じないかは・・・の世界ですね。

また、この時期は海に入ってはだめとも言われていますので、旅行中は注意してくださいね。

 

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旧暦8月8日 多良間の八月踊り

多良間島で行われる豊年祭。

古典踊りや組踊りが行われ、華やかな民族衣装から琉球王朝時代の名残りを強く感じることができます。

旧暦8月15日 野原のマストリャー

上野野原地区で十五夜に行われる豊年祭です。無形民俗文化財に指定されています。

夜の21:00頃から始まるその祭りは、男性と女性に別れ、男性たちが掛け声を上げながら棒を持って踊り、女性たちは列を作って扇や四つ竹を持って舞を踊ります。

月明かりの中に、紫と白と黒の衣装が浮かび上がるその光景は、なんだか幻想的で不思議な感覚に陥ります。

10月頃 島尻パーントゥ

宮古島を代表する悪霊払いの行事。

泥まみれの神様が、人間を追いかけ回し泥を塗りまくって厄払いをするという奇妙な祭りです。(笑)

車や家の壁も泥だらけになり、子供は泣き叫んで逃げ回ります。
 

この奇祭を一目見ようと、観光客が増加しましたが・・・。その結果、観光客から服が汚された、抱きつかれたと苦情が出る展開へ。

そういうものだと分からずに見に来たのでしょうか。。。

こういった苦情が増えたため、現在では、開催日は非公開(直前に公開)にするといった対応がとられています。
 

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まとめ

シーサー

以上、宮古島の旧暦のイベントについてでした。
 

こうやって並べてみると、ご先祖様や神様に関する行事が多いため、旧暦のままで行うことが自然であることが分かりますね。

そのため、新暦と旧暦をあわせながらの生活が必須です。

宮古島への旅行・または移住を考えている方は、こういった伝統行事も考慮すると、より一層深く知ることができますので、ぜひチェックしておいてください。

また、違った楽しみが増えること間違いなしですよ。

  

たいらまこ

ご先祖様を大切にする文化

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たいらまこ

宮古島出身。
宮古高校卒業後、沖縄本島で6年過ごしたのち、東京に10年以上在住中。

沖縄を離れたからこそ分かる違いや魅力、そして移住のことについて、島を知り尽くした管理人がご案内します!詳しいプロフィール

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