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沖縄の行事の一つである『シーミー』をご存知でしょうか?
古くから伝わるその意味や由来、期間ややり方まで、詳しくまとめました。
沖縄のシーミーとは?
沖縄にはシーミーという、古くから伝わる伝統行事があります。
漢字で書くと「清明」で、中国から伝わり琉球王国時代の頃からあると言われています。
中国語で読むと「ちんみん」、日本語読みすると「せいめい」で、沖縄ではそれが「シーミー」になります。
やっぱり沖縄では、2つの音を伸ばす傾向がありますね。(ゴーヤー、シーサーなど)
さて、このシーミーとは一体何なのかということなのですが、一言で言うと、「お墓参り」。
家族や親戚など総出で集まって、お墓を掃除したり、一緒にご飯を食べたりして、ご先祖さまを供養します。
沖縄県以外で言うところの、「お彼岸」と同じ位置付けでとても似ています。
沖縄のお墓の敷地はとても広くて、小さなワンルームほどの大きさがあり、周りをブロック塀で囲うことが特徴です。
その中にみんなで入り、円を描いて座って、お弁当を食べます。
まるでピクニックみたいですね。
シーミーはいつからいつまで
シーミーは二十四節気(にじゅうしせっき)の一つである「清明」の日に行われます。
二十四節気とは、1年を季節ごとに24分割し、その変わり目の日とその期間に名前を付けたものです。
有名なのは、立春や春分、夏至、立冬などがあります。春分や秋分は祝日にもなっているので良く耳にしますよね。
これらは今でも、季節の変わり目の目安として良く利用されています。
その二十四節気の中の一つが、春の中にある清明なんですね。春分の次です。
新暦で言うと、毎年4月の5日か6日に当たります。
「清明」は「すがすがしく明るい空気に満ちる」という時期に突入という意味ですから、暖かくて過ごしやすい時期とも言えますね。
この文化は、そういったポカポカしたちょうど良い時期に、ご先祖さまも一緒にご飯を食べましょうという意味合いかもしれませんね。
また、いつまでか?という疑問なのですが、「清明」の次が「穀雨」といって4月20日(か21日)にあります。
ですので期間でいうと、4月5日〜20日、または4月6日〜21日の「15日間」になりますね。
「清明」に入ったその日に行われます。
しかし、現代では仕事や学校がありますので、親戚が集まりやすい土日を利用することが一般的になってきています。
シーミーのやり方は?
シーミーのやり方は、地域や各家庭(親族)でも変わってきますが、
これが基本の流れです。
一番特徴的なのは、「お供えの時に、あの世のお金を焼くこと」。
あの世のお金を「ウチカビ」といって、ご先祖さまがあの世でお金に苦労しないようにという祈りを込めて燃やします。
沖縄県外ではなかなか見ることができない光景ですよね。
この慣習も中国から伝わったとされています。
また、時間はみんなが集まりやすい時間がベストで、お昼前〜15時くらいが多いですね。午前中は朝早くからひたすら準備です。
シーミーで準備するものは以下の通り。
・ほうきやチリトリ、ゴミ袋などの掃除用具
・あの世のお金、アルミホイル、ボウル
・ライター、お線香
・重箱、果物、お菓子などの食べ物
・泡盛、水、お茶、ジュースなどの飲み物
・下に敷くゴザまたはビニールシート
重箱は、朝から手作りで作ることが基本ですが、今は忙しい家庭もあるので、注文することもできます。
あの世のお金(ウチカビ)は、どこで手に入れられるの?と思いますが、普通にスーパーで売っています。
着ていく格好はなんでも構いませんが、ご先祖さまへご挨拶に行くので、あまりにもラフ過ぎない格好が良いです。
また、外に長時間出るので帽子や羽織るものといった紫外線対策、そして座ったりもするので、動きやすさを重視すると良いですね。
まとめ
琉球王国時代に中国から伝わり、沖縄風に継承されて現在でも行われている伝統行事。
時期的にも意味合い的にも、春のお彼岸に似ています。
(お盆はご先祖さまをお迎えする行事なので、意味合いが違います。)
豪勢な料理とお金をご先祖さまへ送り、そして親戚一同が集まって顔を合わせる日でもあるので、血縁をとても大事にしていることがわかりますね。
やり方の違いは、あの世のお金を焼くことと、その後お墓の前でご飯を食べること。
また、お供えする料理も違います。
なお、宮古島ではなぜかこのシーミーがなく、旧暦1月16日の十六日祭(ジュウルクニツ)の日に盛大にお墓参りを行います。
次の記事では、宮古島で旧暦に行われているイベントをまとめています。
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先祖へしっかりとご挨拶