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沖縄県は、47都道府県の中でも1番出生率が高い県です。
その理由はいったいどうしてなのか、あらゆる角度から、その理由について深く掘り下げていきます。
沖縄の出生率は毎年トップ
良く、沖縄は出生率が高いと言われますが、それは厚生労働省が毎年発表する「合計特殊出生率」によるもの。
厚生労働省の説明によると、
合計特殊出生率は「15歳から49歳までの女性の年齢別出生率を合計したもの」で、1人の女性がその年齢別出生率で一生の間に生むとしたときの子ども数に相当する。
とあります。
2018年に発表された平成29年の全国の出生率は「1.43」。
その中で、沖縄県は「1.94」とトップを誇っています。
一番低い都道府県は東京都の「1.21」。
その差は「0.73」とわずかな差だとも感じてしまいますが、順位には数年変動がないことから、超えられない大きな壁があることが分かります。
原因は一つではない
沖縄の出生率の数値が高いのは、「3人以上の子どもを産んでいる」から。
つまり、婚姻率が高いから、結婚年齢が低いからということよりも、一組の夫婦が生む子どもの数が多いため、出生率がトップになっているんですね。
沖縄県では、3組に1組の割合で3人以上の子どもを産んでいます。
では、なぜこのように子だくさんなのでしょうか。
それには、さまざまな理由が挙げられていますので、一つずつ見ていきましょう。
人口移動が少ない
厚生労働省が発表している理由ですが、1つは、「島国のため、人口移動が少ない」ということ。
つまり、自然と家族や親戚が近くにいるので、みんなで子どもを育てるという意識が強いのです。
夫婦2人だけだと、子どもを3人以上育てることは大変ですが、子育てを手伝ってくれる方が周りにたくさんいれば安心ですよね。
男子に対する期待が大きい
厚生労働省が発表している理由の2つめは「跡継ぎをする男子が欲しいという期待が高い」から。
確かに仏壇のこともありますし、男子が生まれるまでは、、、という意識が強いと思います。
こればかりは運もありますから、プレッシャーはものすごいと思いますが、1〜2人ではまだまだ諦めないというスタンスがあります。
温かい気候のせい?
これは、私が都道府県別「合計特殊出生率」を見ていて感じたことです。
確かに、大都市といわれる東京都・神奈川県・大阪府などは出生率が低いです。
しかし、それとは別に、南から北へいくほど出生率が低くなっているのも事実です。
北海道に関しては「1.29」と東京に次いで2位ですし、東北の平均と九州の平均を比べてみると「0.25」ほど違います。
このことから見ると、暖かい気候も少なからず影響していることが分かります。
婚姻率が高いから?
沖縄県は、婚姻率も47都道府県の中で1番高いんですね。
結婚する率が高いから出生率も高くなる。
これはある意味合ってはいると思います。
しかし、婚姻率の1位は「東京都」。沖縄県は2位です。
1位の東京都の出生率は最下位で、沖縄県はトップ。
このことから、婚姻率が高いことだけが出生率が高い要因だと決めつけることはできないようです。
出身者からみた見解
私は東京に上京して来て10年以上経ちますが、やはり周りにも親元を離れて出てきている方が多いです。
親からの「早く子どもを産め」攻撃から逃れ、自分の好きなことができる環境を選んでいるからか、20代で結婚する方は少ないです。
30代から結婚ラッシュ・出産ラッシュが始まります。
そして、夫婦2人のみで子育てをしないといけないため、3人以上の子どもを持つ方は少ないです。
都会での子育てがキツいと地元に帰ってしまう友達も多いです。
この、「親が近くにいるかいないか」が、3人めを生むかどうかの大きなポイントになってくるかと思います。
沖縄ではこれに暖かい気候も相まって、結果、産みやすい環境になっている。ということが理由なんでしょうね。
現在の価値観
しかし、沖縄でも晩婚化、少子化の波がまったくないかと言えばそうではありません。
全国と比べれば出生率は高い数値ではありますが、沖縄県だけで見れば年々下がってきています。
これは、沖縄でも同じように価値観の多様化が浸透してきているからです。
一昔前までは、「早く結婚して子供を産むことが当たり前で、それが幸せ」という価値観でした。
しかし、私の世代では、価値観が2極化しているように思います。
「若くから結婚して子だくさんの人」と、「仕事と趣味に自分の時間を費やしている人」。
そしてどちらも幸せで、選ぶ自由もあるという考え方が、まさに今の価値観ではないかなと思います。
まとめ
以上、沖縄の出生率についてでした。
まとめると、「暖かい気候の中、親や親戚が近くにいて、3人以上産める環境にあり、特に男子を求められるから」。
しかし、現在の沖縄県では、晩婚化・少子化が進んでいることも事実です。
価値観も変わってきていますし、取り巻く環境も変わってきています。
この緩やかな変化が続いていくと、数十年後には、出生率トップの座も変わっているかもしれませんね。
子は宝
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