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沖縄の夏は涼しい。
こう聞くと、え?と耳を疑ってしまうかもしれませんが、実はここ最近よく聞く話でもあります。
この話、本当のところはどうなのでしょうか。
沖縄に十数年、そして東京に十数年暮らした私の実体験と、気温や風速といった数値の両方から検証してみました。
沖縄は涼しいか体感的に比較
まずは、体感的な暑さについて。
私が東京に来て最初に夏を経験した時に感じたことは、「暑さの種類が違う」ということでした。
言葉で表現しようとすると、「体に熱気がまとわりつく」といった感じです。空気が停滞していて逃げられず、ムンという音が聞こえそうなくらい。
これは、アスファルトやコンクリートが密集していることが原因で、ヒートアイランドという都市部の気温が上昇する現象が起きているからとのこと。
つまり、熱が逃げられない状況にあるんですね。そのため、夜になっても気温が下がらず、暑苦しく感じます。
一方、沖縄はというと、周りを海で囲まれているという環境のため、海風が発生します。ですので、空気が停滞している、とは感じたことはありません。
また、土や木といった自然も多いので、熱がこもるということはなく、夜になると気温は下がります。
かなり違うのは日差しの強さ
では、東京と比べて、何が一番違うのかというと、「日差しの強さ」です。
沖縄での日差しは、ジリジリと突き刺すような感覚で、痛いくらいです。
海辺に行くと、その日差しが反射して、まぶしくて目も開けられないくらいですので、それが感動も生むのですが、太陽に直接肌を長時間さらしてしまうと、それはもう大変なことになります。
肌の皮がむけて痛みを伴い、元に戻るのに数週間かかります。つまり、やけどと同じ現象ですね。
そのため、地元の人は、タンクトップや水着など肩を出して肌をさらすような格好はあまりしません。
帽子は必需品で、直接日差しが肌に触れないように、薄い長袖か、羽織るものを着用します。
しかし、日差しを避ければ、厳しい暑さから解放されますので、日陰にいると、そよそよと風も吹いて案外快適です。
沖縄は涼しいか数値的に比較
続いて、数値的に東京と沖縄(那覇)を比較してみます。
(数値はすべて気象庁HPより)
2017年の8月を比較してみました。
東京 最高気温 8月30.4 沖縄(那覇) 最高気温 |
沖縄(那覇)の気温が上回っていますが、その差3.2度。思ったほどその差はありません。
次に、最低気温、平均気温も並べて見ました。
東京 最低気温 8月23.4 沖縄(那覇) 最低気温 |
東京 平均気温 8月26.4 沖縄(那覇) 平均気温 |
こちらは4〜5度の差で、沖縄(那覇)が上回っています。
続いて、猛暑日(最高気温が35度以上の日)の日数です。
東京 1日(2017年8月9日 37.1) 沖縄 0日 |
猛暑日になると、東京が1日のみですがありました。
なんと沖縄は0日。35度以上になった日はありません。
続いて、体感温度に影響する風速も調べてみました。
東京 平均風速 8月2.6m/s 沖縄(那覇) 平均風速 |
やはり、沖縄のほうが風が強いですね。体感温度は、1m/s強くなると1度低くなるとされていますから、2.2度の差があります。
参考 風速の体感の違いについては「最大瞬間風速の日本一は宮古島!?1966年の台風時に観測」の記事に詳しく書いていますので参考にしてみてください。
気温のみを比べてみると、沖縄のほうが3〜5度高くなっていますが、風速も考慮すると、2度引いて、1〜3度ほどの差になります。
結果、それほど変わりがないですよね。
しかも、35度以上の猛暑日は東京にはあり、沖縄にはありません。
これも海風の影響で、沖縄は地上に熱がこもりにくく、また、よくスコール(にわか雨をともなった疾風)もあるので、一定以上の温度が上がりにくいということが言えます。
数値の違いからの所感
所感としては、東京に比べて沖縄のほうが数値的には暑いがそこまでの開きはなく、体感的には、東京にはヒートアイランドがあり、沖縄には海風やスコールがあるので、沖縄のほうが涼しいのではと感じます。
そもそも同じ「暑い」という言葉を使うことに違和感を覚えるほど、まったく別物だと思います。
あえていうなら、東京=重暑苦しい、沖縄=痛暑い、といったところでしょうか。
今回は、2017年8月のみで検証しましたが、9月になるとまた状況が変わってきます。
東京の気温は急に下がり、秋に突入していきますが、沖縄はそれほど下がりません。つまり、9月に入った途端、確実に東京のほうが涼しくなります。
沖縄からすると、9月も夏に入るんですけどね。。。
まとめ
以上、沖縄の夏は涼しいかどうか、体感的・数値的の両方から検証した結果でした。
「涼しい」と言っても、東京と比較してのという意図であり、どちらにせよ30度を超えてきますので、もちろん汗もダラダラかきます。
外にお出かけする場合は、正午前後はなるべく避けて、日が落ちかける16:00頃がベストです。
そうすれば日差しも和らぐので、紫外線・熱中症予防にもなり、だいぶ過ごしやすくなるでしょう。
亜熱帯気候特有の沖縄の夏ですが、日陰といった逃げ場がある分、東京よりは過ごしやすいかなと思います。
暑さの種類が違う!