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宮古島の街を探索していると、民家の前に大きなトゲトゲした貝が吊るされていることに気が付くかと思います。
あれって何だか分かりますか?地元が宮古島である私の家の前にも吊るしてありました。
この気になる貝の名前やその由来など、詳しく調べてみました。
また、その他にも宮古島の特徴的な貝や、触れることができるお店なども紹介します。
宮古島の特徴的な貝の種類
トゲトゲした貝
あのトゲトゲした貝ですが、名前を「水字貝(スイジガイ)」と言います。
大きさは約20cm程度で、トゲトゲ(突起物)の数が必ず6本というのもまた面白いですね。
その名前の由来が、6本の突起物の見た目が「水」という文字そのものに似ているからなんだそう。
確かに水に見えなくもないですが、私にはどうしても亀の造形に見えてしまいます。。。
宮古島の市貝としても市に定められていますので、宮古島にとってはメジャーで代表的な貝ということなんですね。(ちなみに市木はガジュマル、市魚はグルクンです。)
意味
このスイジガイを家の前に吊るす意味ですが、一言で言うと「魔除け」です。
シーサーや石敢當と同じ役割ですね。確かに、このトゲトゲが周りを威嚇しているようにも見えます。
参考 石敢當のことについては「沖縄の石敢當とは?表札に似た、道で見かける漢字3文字の謎」の記事を参考にしてみてください。
また、魔除けと同等に「火難除け」という意味もありますが、やはり名前や形が「水」ということから来ているんでしょうね。
こういった意味合いを込めて、トゲトゲに縄を付けて、家の前や家畜小屋に、吊るしたりくくり付けたりします。
この風習はシーサーよりも古い歴史があると言われていて、宮古島だけではなく、沖縄本島や石垣島でも見ることができます。
確かに貝なので、シーサーよりも手に入れやすいですよね。海に囲まれた島ならではの風習だと思います。
私の家の前にも吊るされていたので、父が、捨てるのもなんだし、インテリアとして飾っているのかな、と勝手に思っていましたが、そういった意味があったんですね。(笑)
クモガイ
また、スイジガイにとても似た貝で、クモガイという貝があります。
その違いは、トゲトゲが7本。スイジガイが360度方向にトゲが出ているのに対し、クモガイは片方向のみに突起しています。
クモって足が8本じゃ・・・と突っ込みたいところですが。
にしても、自然界に7本足ってあまり聞いたことがないですよね。とても珍しい類だと思います。
シャコガイ
大きな貝の代表格と言えば、シャコガイ。
こちらも宮古島のあちこちで見かけることができます。
二枚貝で重なるところがクネクネしていて、手を入れるとパクっと挟まれそうな見た目をしています。
実際は、プランクトンが食べ物なので、魚を食べたりすることはありません。
ただ、一番大きな「オオシャコガイ」という種類は、長さが2m近くもあるので、一昔前は人食い貝だとされ、恐れられてきました。
そのくらいの大迫力がある見た目なんですね。オオシャコガイは日本では八重山諸島が北限なので、残念ながら宮古諸島より北には生息していないようです。
ホラガイ
ホラガイも大きな貝の種類で、見た目はクルッとした巻き貝で、下の方はアイスクリームのコーンに似ています。
楽器としても有名ですね。
宮古島や八重山地方では、ヤカンとしても使用していたそうです。
宮古島市総合博物館では、昔の家や暮らしを再現しているコーナーがあるのですが、その家の囲炉裏の上にホラガイが吊るしてあり、湯沸かし器として使用していたことが分かります。
宮古島の貝と触れる
これまで大きな貝を紹介してきましたが、宮古島では、小さな貝も含めて、アクセサリーや小物作りも盛んに行われてきました。
何と言っても、自然が作り出した形と色を自由に組み合わせて、世界に一つだけのオリジナルを作れることが魅力的です。
例えば、写真立てやネックレス、ストラップ、キャンドル置きなど、アイデアの数だけ作れるものも無限です。
中でもシャコガイのランプは、とても幻想的で高級感あふれるインテリアとしても使用できます。
こういった貝を使った体験工房や、商品、また貝そのものを販売や展示しているところもありますので、いくつか紹介します。
貝工房マーメイド
ハンドメイドの貝雑貨を販売していて、手作り体験も行っています。
展示商品もおしゃれなものが多くて、観光客、特に女性同士の旅行の思い出にピッタリの場所です。
住所) 下地上地517 10:00~18:00 |
ミヤコシェル
赤瓦屋根の家の中で、貝殻のランプシェードを手作り体験することができます。
ギャラリーにもなっているので、センスのある素敵な作品がたくさんあるので、見るだけでも楽しいです。
住所) 平良字下里2719 11:00~20:00 |
ポコ909
貝ランプの老舗のお店です。こちらはおみやげ店なので、販売がメイン。
その種類の多さと質の高さには圧倒されます。
住所) 平良字西里311-3 10:00~18:00 |
まとめ
以上、宮古島の貝についてでした。
海に囲まれた島だからこそ、貝との共存も長い歴史があります。
守り神になったり、やかんや楽器になったりとその役割はさまざまですが、それほど身近で、そして何かエネルギーを感じるものがあったんでしょうね。
今でも、貝は人を魅了し続け、アクセサリーやランプといった小物もお土産品として販売されています。
不思議な魅力を持つ宮古島の貝。ぜひ、お守りとしてお気に入りの貝殻を手に入れてみてはいかがでしょうか。
我が家も水字貝に守られています。