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沖縄でヘチマと言えば、ゴーヤと並ぶ夏の野菜の代表です。
宮古島で生まれ育った私が、東京に移住してきて驚いたことは、「沖縄では、ヘチマを食べるんでしょ?」と聞かれたこと。
は?食べる以外どうするんだ?
と思ったら、なんと沖縄以外では「たわし」として使用しているというではありませんか。
食器を洗ったり、体を洗うあのゴシゴシとして使ったり。
これには、なかなかのカルチャーショックを受けましたよ。
ここでは、そんなヘチマについて、食べ方などをまとめました。
沖縄のヘチマとは
ヘチマは日本全国での知名度も高いですよね。
漢字だと「糸瓜」と書きます。果実に繊維があり糸が絡み合っているように見えるからです。
そして、きゅうりやかぼちゃなどと同じ種類のウリ科で、夏野菜です。
沖縄を代表する野菜にはゴーヤや冬瓜など、ウリ科の野菜が多いですね。やはり暖かい気候が影響しています。
ヘチマも熱帯アジア原産なので、沖縄の気候にピッタリです。そのため、食用としての生産量も全国1位となっています。
なぜ、沖縄以外で食べないのか
ここで疑問に思うのが、なぜ、沖縄以外では食用として食べないのか。
調べたところ、どうやらその種類が違うことが分かりました。
沖縄で生産されるものは繊維が少なく食べやすい種類。
また、その繊維が出てくる前の未熟な状態で収穫します。
生産量1位ではあるのですが、痛みやすく保存が効かないという理由から、実は県外にはあまり流通していません。
そのため、県内で生産・収穫されたものは県内で消費され、全国に広がっていないということなんですね。
沖縄以外での生産
沖縄以外で生産されるものは繊維が多く、食べにくいことから、古くからたわしとして使われてきました。
家の軒先で栽培し、熟しきったヘチマを乾燥させて、各家庭で作ることが主流でした。
しかし、植物なのでカビが生えやすく腐りやすいし、作るのにも手間暇がかかります。
そのため、現在主流のナイロンたわしやスポンジは、発売されると同時に、「これは便利♪」とすぐに取って代わったのではないかと予想されます。
化粧水や薬用としても効果あり
ヘチマはたわし以外にも、化粧水としても愛用されてきました。
「ヘチマ化粧水」として、現在も市販で販売されていますよね。
歴史をさかのぼると、なんと江戸時代の大奥の御用達でもあったようです。
茎を切ってそこから抽出される液体には、保湿作用のあるサポニンやペクチンがたっぷり入っています。
それが、肌荒れや美白に効果を発揮するんですね。
とろみもあるので、まさに化粧水そのものです。
また、このヘチマから採れる液体を飲むと「咳止めにも効く」として、薬用としても重宝されてきました。
先人の知恵ってすごいですよね。本当にさまざま使い方があります。
こうやってその使い方を見ていくと、存在価値としてはアロエに似ているなぁと思います。
アロエも食べることもできますが、化粧品としても医薬品としても利用されていますよね。
私の実家でも育てていましたが、食用ではなく、日焼けの後の炎症を抑えているために使っていました。ヘチマと逆ですね。
食べ方
沖縄での料理としては、「ヘチマの味噌煮」が代表的です。
その名の通り、ヘチマと島豆腐と豚肉を味噌で煮込んだもの。
豚肉をポークにしたり、ツナにしたりと、各家庭によって違います。
また、ゴーヤーチャンプルーと同じ要領で、ゴーヤーをヘチマに変えて炒める「ヘチマチャンプルー」も人気です。
また味噌汁に入れたりカレーに入れたりする家庭もあります。
沖縄の方言では「ナーベラー」と言うので、このワードで検索してみると、料理法がたくさんヒットしますので、ぜひ探してみてください。
食感がどろっとした感じで独特の匂いもあるので、実は沖縄でも苦手な方は多いです。
あのどろっとした舌触りはナスに一番似ているかもしれませんね。ナスよりももっとクセがありますが。
カットする場合は、皮も根こそぎ切って薄く5mm程度に切ることがポイントです。
あまり大きくザク切りにすると、ヘチマが主張しすぎて食べにくくなるのでご注意を。
また、調理後の色が薄黄緑色なので、料理全体が薄い色になってしまいがちです。
そのため、見栄えを良くするには、ニラやネギといった濃い緑色のものを追加すると良いでしょう。
沖縄のヘチマまとめ
どろっとした食感がありクセがあるので、好き嫌いが分かれますが、沖縄では「食べ物」として存在しています。
まさか、たわしや化粧水、咳止めなどに使われているとは思いもよりませんでした。
まさに「所変われば品変わる」ですね。
もし、ヘチマ=たわし100%のイメージしかない!という方は、ぜひ「ヘチマの味噌煮」にも挑戦してみてください。
新たな世界が広がると思いますよ。
ただし、食べるには未熟の時が鉄則ですので、その点はご注意くださいね。
たわしとして使ってみたい!
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